オークションに出された1個の卵の物語

2020/03/14

ブラジルでの日常

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ブラジルでは最近、ゴイアス州にある小さなカスーという田舎町で起きた「オークションに出された1個の卵」の物語がニュースになり、話題を集めています。

グスターボ君

カスーという小さな田舎街にある特別養護老人ホームは、古くなった施設を改修する必要に迫られていました。

その資金を捻出するために開催されることになったチャリティーオークションが、この物語の発端です。

ある日、 そのオークションへの出品物の寄付を募るため何人かのボランティアスタッフが手分けをして、街の一軒一軒を訪問していました。

その中の一人であるジェシカさんがある家を訪ねた時、応対した家の主から
 「今日は何も出すものがない。悪いけどまた来てくれないか。」
と言われたそうです。

この家の主が今回の物語の中心人物、グスターボ君の継父でした。

継父は煉瓦職人ですが、最近は仕事の依頼がなく失業状態だったのこと。

グスターボ君以外にも、12歳と10歳の育ち盛りの子供を抱え、その日の食料にさえも困っていた状態だった継父は、断ざるを得なかったそうです。 

駆け寄ってきたグスターボ君

グスターボ君の家を後にし、次の家を訪問するために坂をくだっていたジェシカさんの背中に「チーア!(おばさん)」という声が聞こえました。

ジェシカさんが振り返ると、グスターボ君が両方の手のひらを合わせて駆け寄ってくる姿が見えました。

そして小さな手を開いて「出せれるものはこれしかありません」と1個の卵を差し出したそうです。

グスターボ君は、継父とボランティアのやり取りを聞いていたのです。

ジェシカさんはその時、8歳の男の子が自分の空腹も顧みず卵を差し出す姿を見て
「あまりの衝撃と感動で言葉にならなかった。ただ一言、あなたに神の祝福がありますように、と言うので精一杯だった。」
と話しています。

ジェシカさんは他のボランティアにこの話をし、この卵をどうするべきか相談したそうです。

そして、この卵をオークションにかけることが、グスターボ君の気持ちに応える最良の選択だと意見がまとまり、出品することに決定しました。

1個の卵

9月1日の日曜日、 予定通り特別養護老人ホームの施設改修のための チャリティーイベントが開催されました。

昼食会やビンゴゲームで盛り上がる中、いよいよオークションの時間になり会場には200人ほどが集まりました。

観衆を前に、 壇上にはリボンのついた綺麗な箱に入れられたグスターボ君から出品された1個の卵が置かれました。

そして、この卵がこのオークションのテーブルに乗せられるまでの経緯が話されました。

すると観衆の一人が「その卵に私は100レアルを寄付します」と申し出ました。

そして、次から次へとその卵に寄付が寄せられていったのです。

結果オークションと、卵に集また寄付金の総額は3,920レアルにものぼったそうです。(あくまで感覚的ですが、1個の卵に40万円の値段が付いた感じです)

そしてこの施設長は「卵はオムレツになった」と表現し、善の連鎖に対する感動と感謝の想いを述べました。

後日ボランティアスタッフは、グスターボ君の家を訪ねて食料品と子供たちへのおもちゃをプレゼントしたそうです。


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自己紹介

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日本人がブラジルに対して抱くイメージは、良いものとしては「サッカー」「カーニバル」「陽気なラテン民族」というところでしょうけれど、一方で「治安が悪い国」、そして 何より「発展途上国」という目で見られていることを、ひしひしと感じています。 日本のTV番組を見ていると「アマゾン」や「ファベーラ(貧民街)」などを取り上げているものが圧倒的に多いので、仕方ありませんね。 ですので、このブログでは、ブラジル移住7年目の私から見た、ブラジルのあまり知られていないオシャレな部分を沢山発信していきたいと考えています。

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