パート3 コロナで日々思うこと色々 「日本語」について


Gerd AltmannによるPixabayからの画像

またですね 英語での表現

「ステイホーム」と「ソーシャルディスタンス」


以前のブログでも書きましたが、
日本は本当に英語での表現ばかりですね。

日本では現在「なるべく家に居て下さい」と「人とは距離を取ってください」と伝えるために、繰り返し繰り返し「ステイホーム」「ソーシャルディスタンス」と連呼していますね。

日本にいる外国の方には伝わり易くていいと思いますが、
日本人が英語で表現するのはそれが理由ではなく、
もう「クセ」になっているように見受けられます。
やたらめったら英語での表現をしますよね。

日本語にするのが逆に難しい

私はポルトガル語を日本語に翻訳する仕事もしていますが、
なるべく英語表記ではなく、
日本語で訳すように細心の注意を払っています。

なぜかというと、
ブラジルの邦字新聞「ニッケイ新聞」の読者の投稿コーナーで、
「最近の日本のニュースは英語表記ばかり。どうなってる!」
という投書があったのです。

するとその投書に対して、
「全くその通り!」
という意見の投稿が相次ぎ、
とても盛り上がっていたのです。

ブラジル日系人の方々は
世代交代が進むにつれて失われつつある「日本語」に対して危機感を持ち、
どうやって後孫にそれを教えるかを、
とても真剣に考えている方が沢山いらっしゃいます。

「日本語」を失うことは、
「日本の精神」と「日本文化」を失うことに直結すると考えています。

美しい日本 侘び寂びを感じる風景


十九世紀にフランスで活躍した文献学者ガストン・パリも
「言語を取り替えることは、魂を取り替えるに等しい」
という言葉を残しています。

だからブラジルで日本語にたずさわる一人として、
きちんとした日本語で訳す必要があると思わされました。

ただ、実際訳してみると、
意外に訳を日本語だけでするのは難しいのです。

例えば、オリンピックレガシーの「レガシー」。
遺産、とするとちょっと意味合いが微妙な感じになりませんか?

あとは「コンサート」「イベント」など。
「歌手〇〇さんのコンサート(イベント)が開かれました。」を日本語にするのが難しいです。
演奏会でもなく、独演会というか、発表会ではないし、、、、

また「レストラン」や「カクテルパーティ」は、もうお手上げです。

「式の後はレストランに場所を移動し、カクテルパーティーとなりました。」
「式の後はお食事処に場所を移して、立食形式の会食となりました。」

英語表記のままだとお洒落な感じがしますが、
全て日本語表記にすると、昔っぽい感じになってまいます。

上記のように日本語にするには難しい言葉以外、
例えば「入場チケット」は「入場券」、
「レポートの提出」は「報告書の提出」、
「セレモニーに寄せて〇〇さんからお祝いのメッセージが届きました」は
「式典に寄せて〇〇さんからお祝いの言葉が届きました」
など、出来るものはなるべく日本語で訳すよう心がけています。

著書『日本人の脳と日本語の重要性』

脳神経外科医ラウール・マリーノ・ジュニオル著

知日家のブラジルの脳神経外科のラウール医師が、
上記の本を出版しています。

その本の中で、
欧米人は言語機能が左脳だけにあるのに対し、
日本人はかな文字を左脳で処理し、
漢字を右脳で扱っているという研究報告をしています。

これはとても独特のようです。

同じく、
日本人の脳の研究を行う東京大学医学部研究室の角田忠信教授によると、

西欧人は虫や動物の声を音楽脳で処理する
(言葉のように意味のあるものとしては受け取らない)のに対して、
日本人は言語脳で処理する

と言っています。

西欧人は、
それらの音は工事現場の音と同じ「雑音」の部類に入るそうです。

しかし日本人はウグイスの声で春を、
蝉の声で夏を、
鈴虫の声で秋の風情を感じます。
そしてその感じた風情を俳句や歌にまでしています。

あと、これは個人的に思っていたことですが、
日本には擬音がとても多いと思います。

とくに小さな子供に対して擬音を多用します。
写真はイメージです

3人の子育てをしながらふと、
そういえば、擬音ばかりつかって子供と会話しているなぁ
と思ったことがあったのです。

つるつる食べる? ( うどん食べる?)
これはじりじりだよ(これは炭酸飲料だよ)
わんわんがいるね (犬がいるね)
ごろんする? (ねる?)
おめめぱちぱちしてね (まばたきしてね)
よくしゃかしゃかしてよ (よくかきまぜてよ)

など、あげればきりがありません。
これも日本人独特なのでしょうか。

まとめ

日本人がどうしてこうも英語を多用するのかが疑問ですが、
もしかしたら右能と左能の両方で言語を理解する、
日本人独特の感覚があるのかもしれませんね。

「ステイホーム」「ソーシャルディスタンス」

日本の若者がよく「〇〇的な」と言いますが、
それを用いると
「家に居る的な」「距離を取る的な」と言えるでしょうか。

英語での発音は柔らかなメロディーのような響きがあり、
押しつけがましさを回避したい日本文化にはもってこいなのかも知れません。
やんわりと「こんな感じで」と。


「空気を読む文化」でストレートに物を言わない(言えない)日本人、
遠回しに物事を伝える日本人の、
言葉選びのセンスが光るがゆえの、
現在の英語表記多用な日本なのかもしれませんね。

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